【シャルムエルシェイク時事】エジプトのシャルムエルシェイクで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は18日の最終日も交渉がまとまらず、会期を延長した。最大の焦点は地球温暖化で引き起こされる途上国の「損失と被害」への支援策で、途上国側は支援基金を直ちに創設するよう主張。これに対し、先進国側は慎重姿勢を崩していない。
議長を務めるエジプトのシュクリ外相は19日中の合意を目指す方針を示しており、妥協点を探る調整が続いている。
「損失と被害」に関する合意文書案では、「気候変動の影響に弱い発展途上国」を対象とする新たな基金について(1)創設(2)創設を前提に来年開催のCOP28で議論(3)創設を前提とせずにCOP28で議論―の三つの選択肢を併記。欧州連合(EU)は基金創設について、条件付きで容認する姿勢に転じたが、先進国の間では巨額の資金拠出を警戒する声も根強く、予断を許さない。
一方、成果文書の草案では、産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を「1.5度」に抑える努力目標を堅持した。現状では、1.5度目標の到達は難しいことから、各国は2030年までの温室効果ガスの排出削減強化に向けた作業計画に関する交渉を継続している。
新興国の対応強化を求めたい先進国側は、国別の温室ガス排出削減目標の上積み改定につなげたい考え。ただ、新興国側は経済活動への妨げとなりかねないとして反対の構えだ。
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▽途上国支援で基金創設へ 排出削減計画も詰めの交渉―COP27<時事ドットコム>2022年11月19日23時11