[北京 22日 ロイター] – 中国で新型コロナウイルス感染が再拡大し、各地で感染対策が強化されている。首都北京市では22日、公園やショッピングモール、美術館などが閉鎖されたほか、上海では同市に訪れる人への規制が厳格化される。
国家衛生健康委員会が発表した21日時点の新規感染者は2万8127人と前日の2万7095人から増加し、4月のピークに近づいた。南部の広州市と南西部の重慶市が全体の約半数を占めた。死者も新たに2人報告された。
北京市当局は、22日午後3時(日本時間午後4時)までの15時間に新たに634人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表。24日から、商業施設やホテル、政府の建物など公共の場所に立ち入る場合、48時間以内に実施したPCR検査での陰性証明を義務付ける方針を示した。
金融の中心地である上海でも新たに48人の感染が報告され、16区中7区の娯楽施設が閉鎖された。さらに上海訪れる人を対象に、同市到着から5日間、ショッピングモールやレストランへの立ち入りを禁止する。オフィスへの出勤や交通機関の利用は可能という。24日から施行する。
中国各地でのコロナ規制厳格化を受け、市場では中国および世界経済への影響を巡る懸念が再燃している。
ノムラのデータによると、現時点で中国の国内総生産の約19.9%を占める地域で何らかのロックダウン(都市閉鎖)・制限策が実施されているもよう。14日時点の15.6%から拡大し、上海が閉鎖されていた4月のピークに迫っている。
さらにノムラのアナリストは、経済再開が加速するのは政府幹部の交代が完了する来年3月以降になると予想。「当局者は感染者の急増や社会の混乱を目にして方針を戻す可能性があり、経済再開は前進と後退を繰り返すかもしれない。地方当局者は中央の真意をうかがう中、先行して再開を進めることにはより消極的だろう」と述べた。