[24日 ロイター] – フランスとドイツとスペイン、英国でこの夏、死者数が例年水準をどれだけ上回ったかを示す「超過死亡」が計2万人を超えた。4カ国を襲った異例な熱波が影響した可能性がある。4カ国の政府統計をまとめた報告書が指摘した。
各国政府統計によると、フランスのこの夏の超過死亡は1万0420人で、今夏の西欧全体の約半分を占めた。英イングランドとウェールズが合わせて3271人。スペインの6─8月は4655人で、ドイツでは4500人だった。
欧州では2003年の熱波の時期に、フランスを中心に域内の超過死亡が計7万人を超えた。これをきっかけに多くの欧州諸国は早期警報システムの導入や地域社会での見守りやエアコンを効かせた学校の臨時開放などの対策を導入した。
グラーツ大(オーストリア)の熱波研究者は、そうした対策のおかげで今夏の熱波の影響がこれでも幾らか緩和された可能性はあると指摘。それでもなお超過死亡数は想定を上回ったと強調した。
世界気象機関(WMO)は今月、欧州が過去30年で世界の他地域に比べ2倍のペースで温暖化が進んでいると発表している。