• FRB議長発言、米経済指標、ベージュブック
  • 中国コロナ戦略に修正の兆し、イエレン氏が発言撤回
A commuter wearing a protective mask swipes a metro card through a turnstile slot at a subway station in New York, U.S., on Wednesday, June 3, 2020.  Photographer: Sarah Blesener/Bloomberg

ニューヨーク州都市交通局(MTA)はニューヨーク市の地下鉄料金を現在の一律2.75ドルから2025年には3.05ドルに引き上げる可能性があることを示唆しました。1980年代後半まで一律1ドルだった料金は30年余りで3倍以上になる計算です。一方、80年代後半に120円だった東京メトロの初乗り料金は来春に予定される値上げ後でも180円。地下鉄料金一つとっても日米のインフレ状況の違いが分かります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

利上げ減速

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は早ければ来月にも政策引き締めペースを減速させると示唆した。一方でインフレとの闘いは終了からほど遠いと強調し、金利は一段と上昇し、景気抑制的な水準にしばらくとどまるとの見方を示した。クックFRB理事はインフレを抑制するために政策金利をどこまで引き上げるべきなのかを見極めながら、利上げ幅を小幅にしていくことが賢明になるとの見解を示した。最終的な金利水準はインフレ抑制の進展度合いによるという。

雇用減速・求人減少

ADPによると、11月の米民間雇用者数は12万7000人増と、2021年1月以来ほぼ2年ぶりの低い伸びとなった。賃金の伸びも鈍化し、景気見通しが悪化する中で雇用主がブレーキをかけ始めた可能性が示唆された。10月の求人件数は前月比35万3000件減少し、労働市場の冷え込みがあらためて示唆された。経済全体の需要抑制を目指す米金融当局にとっては明るい兆しとなる。

小幅成長

FRBは30日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、11月下旬までの米経済はわずかな成長にとどまったと指摘した。企業は高インフレと金利上昇が経済の見通しを不透明にしたとしている。ベージュブックでは「経済活動は前回報告時から総体的に横ばいないし小幅拡大し、緩やかな成長からペースを落とした」と記された。「金利とインフレが引き続き活動への重しとなっており、見通しを巡る不確実性の増大や悲観の強まりが多く示された」とした。

「新たな段階」

中国政府の対コロナ政策を担当する孫春蘭副首相は北京で国家衛生健康委員会および専門家らと会合を開き、「オミクロン株の病原性は比較的弱く、ワクチン接種も進み、新型コロナに対する政府の知見も蓄積されている。このため新型コロナとのわれわれの闘いは新たな段階にあり、新たな課題に向き合っている」と語った。会合後の発表文によると、孫氏はゼロコロナを意味する「動態清零」という言葉を使用しなかった。

発言撤回

イエレン米財務長官は30日、イーロン・マスク氏によるツイッター買収が安全保障上の懸念をもたらすようであれば、政府としてはこれを調査することが適切になると述べ、調査の必要性を否定していた以前の発言を撤回した。イエレン氏は総じてリスクがあるのでれば「対米外国投資委員会 (CFIUS)による調査が適切だろう」と述べた。同氏は同委員会の議長を務めている。

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