[1日 ロイター] – ロシアのラブロフ外相は1日、西側諸国が欧州安全保障協力機構(OSCE)を弱体化させたと非難し、冷戦後にOSCEをロシアとの真の架け橋にする機会を台無しにしていると主張した。

ポーランドは1─2日にウッチで開催するOSCE外相会議について、ロシア代表団へのビザ(査証)発給を拒否し、同国のOSCE常任代表が政府代表を務めると発表した。

ラブロフ氏は記者会見で、北大西洋条約機構(NATO)の「無謀な拡大」がOSCEの基本原則の価値をおとしめたと批判。西側はOSCEにおける「数的優位」を利用して同組織の「乗っ取り」を試みていると主張した。

ロシアのペスコフ大統領報道官はその後、OSCEを離脱する可能性があるか問われ、そうなればOSCEは「自動的に有効性を失い、欧州の安全保障と協力の問題に言葉ではなく行動で対処する機会を失うことになる」と述べた。現地通信社が伝えた。

ウクライナは、同国への侵攻を理由にロシアをOSCEから追放するよう要求している。

ヌランド米国務次官はウッチで、ロシアは「OSCEを分裂することに明らかに失敗した」と指摘。「OSCEは国連と同様に、ロシアによる組織を分裂、まひ、崩壊させる試みに『ノー』と言った」と強調した。