• EU、ロシア産原油の上限価格バレル60ドルで合意-G7が支持
  • プーチン氏は対話にオープンも、軍事作戦継続-ロシア大統領府
A Ukrainian rescue service member and a soldier inspect the area as black smoke rises after an attack on an oil reserve in Kherson on November 20, 2022, amid the Russian invasion of Ukraine Photographer: BULENT KILIC/AFP

米バイデン政権高官は、ロシア産原油に設定する上限価格を1バレル当たり60ドルとすることで合意に至ったことを受け、5日の発効後も供給混乱と価格変動の高まりを誘発しないとして、市場参加者を落ち着かせるよう努めている。主要7カ国(G7)が支持した上限価格は、ロシアの代表的な油種であるウラル原油が現在取引されている価格を上回る水準となる。

EU、ロシア産原油の上限価格バレル60ドルで合意-G7が支持

  ロシアのプーチン大統領は交渉の扉を引き続き開けていると、同国政府が説明した。バイデン米大統領がプーチン氏に戦争を終わらせる意思があるなら会談に関心があると述べたことに反応した。だが、ロシアはプーチン氏にウクライナでの軍事作戦を終わらせる計画はないと言明。ホワイトハウスの報道官は、こうした状況では直接交渉の条件は適切とは言えないと指摘した。

  欧州最大の原発施設であるザポリージャ原発周辺に安全地帯を設置する計画について、合意が近づいている。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長がブルームバーグに明らかにした。

米政府高官、ロシア産原油の上限価格巡り不安緩和図る

  ロシア産原油の上限価格設定を注視している人の中には、「オーバーコンプライアンス(過剰な法令順守)」のリスクを懸念する声もある。米財務省の高官は記者団との電話会議で2日、今回の上限価格設定が前例のない性質であることは承知しているとしながらも、米国は実施を前に業界関係者と広く関わることでそれに対処しようとしてきたと説明。上限設定に合意した国・地域は同政策ができるだけ容易に運営できるよう努めていると指摘した。デリケートな性質の話だとして、この高官は匿名を条件に語った。

ウクライナ、世銀通じ米国から15ドル受け取る

  ウクライナは世界銀行を通じて米国から15億ドル(約2000億円)の供与を受けた。同国財務省がウェブサイトで明らかにしたもので、年金などの社会保障費に充てられる。 

EU、ロシア産原油上限価格60ドルで合意

  欧州連合(EU)加盟国は、ロシア産原油に設定する上限価格をバレル当たり60ドルとすることで合意した。ポーランドの外交官が明らかにした。主要7カ国(G7)での合意に道を開いた。

EU、ロシア産原油上限価格バレル60ドルで合意-定期的見直しも 

米ロ首脳会談の時ではない-ホワイトハウス

  ホワイトハウスは2日、バイデン氏とプーチン氏が直接対話する条件は整っていないとの見解を示した。ウクライナでの戦争を終わらせるロシアの意思が全く認められないからだと説明した。

  米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、「現時点で交渉が成果を生む方法だと思えるような地点に単に至っていない」と発言。米政権の焦点は引き続き、ウクライナへの安全保障面などの支援だと言明。交渉はウクライナのゼレンスキー大統領が承認する場合にのみ検討すると続けた。

ザポリージャ原発周辺の安全地帯設置案、合意近づく-IAEA

  ザポリージャ原発周辺に安全地帯を設置する計画について、ウクライナとロシア、国際査察団が合意に近づいている。IAEAのグロッシ事務局長がブルームバーグテレビジョンに明らかにした。

  IAEAが専門家を駐在させているサポリージャ原発では、数カ月にわたる戦火の中で原子炉6基が運転を停止。グロッシ氏はウクライナ、ロシアの双方に周辺地域で軍事活動を行わないよう呼び掛けてきた。

  「受け入れ可能な何かに近づいている」と同氏はインタビューで述べ、交渉を前進させるため近い将来にゼレンスキー氏、プーチン氏とそれぞれ個別に会談する見通しだと語った。

ウクライナ、ロシアの戦争犯罪裁く国際法廷設置を働き掛け

  ウクライナ政府はロシアの戦争犯罪を裁く特別法廷設置で支持を集めるため、欧州と米国の各地で説明会を開く。ウクライナ大統領府によると、パリで既に開いたほか、ベルリンやワシントン、ロンドンでも予定している。

独ロ首脳、1時間にわたり電話会談

  プーチン氏は2日、ドイツのショルツ首相とウクライナ情勢について協議した。ロシア大統領府が発表した。会談はドイツ側の要請で実現し、1時間にわたった。ショルツ氏が「外交的な解決を求めた」のに対し、プーチン氏はドイツを含む西側諸国がウクライナ軍に兵器供給や訓練を施すなどで「破壊的な政策」をとっていると非難したという。

プーチン氏は米国との対話に引き続きオープン-ロシア大統領府

  ウクライナでの軍事作戦は継続するものの、プーチン氏は「これまでも、今も交渉に向けた接触にオープン」だと、ロシア大統領府のペスコフ報道官が語った。

  「平和的で外交的な手段を通じてロシアの利益を達成できるなら、当然それが最善の方法だ」と同氏は述べた。

原題:Ukraine Latest: US Seeks to Calm Oil Market Angst Over Price CapUkraine Latest: IAEA Chief Says Nuclear Safety Zone Deal CloseUkraine Latest: The EU’s $60 Cap Would Keep Russian Oil Flowing(抜粋)