[5日 ロイター] – 米実業家イーロン・マスク氏の医療機器会社ニューラリンクが、動物福祉法違反の疑いで連邦政府の調査を受けていることが分かった。ロイターが確認した文書や関係筋によると、内部スタッフは動物実験が急がれ、動物に不必要な苦痛を与えたり無駄に死なせたりしていると訴えている。

同社は、体の機能がまひした人を再び歩けるようにするなど、神経系疾患の治療に役立つと期待される脳インプラントを開発している。関係筋によると、調査は連邦検察官の要請を受けた農務省の監察総監が過去数カ月以内に着手。研究者がどのように動物を扱い、実験するかを規定する動物福祉法に焦点を当てているという。

ロイターは同社の文書などを確認し、20人以上の現・元従業員に取材。それによると、開発を加速させようとするマスク最高経営責任者(CEO)の圧力が実験失敗につながったとの申し立てを含め、同社の動物実験に対する社内の反発が強まっていたという。

マスク氏をはじめとするニューラリンク幹部にコメントを求めたが、回答を得られなかった。

ロイターは連邦政府調査の全容や、調査が従業員の指摘する動物実験問題に関わるかどうかを把握できなかった。

農務省監察総監の報道官はコメントを避けた。