- FOMCは来年末の金利予測引き上げ、SECが株取引の改革案
- 資金流出落ち着いたとバイナンス、中国が債券安定化策、アラメダ
ホリデーシーズン、米国では肉の値段が一部下がっているという喜ばしいニュース。11月の米消費者物価指数(CPI)統計によれば、ローストビーフの値段は前年同月比8.1%低下と、6年ぶりの大きな下落となりました。一方でアイスクリームや小麦粉、ケーキ、クッキーは統計開始後で最大の値上がり。卵も49.1%上昇と約40年ぶりの大幅上昇を記録しており、食後のデザートがずしりと重く響きそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
ピーク予測引き上げ
米連邦公開市場委員会(FOMC)は13、14両日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.5ポイント引き上げることを決めた。前回まで4会合連続で続けてきた0.75ポイントから利上げペースを減速させた。今回の利上げでフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.25-4.5%となった。これは2007年以来の高水準。FOMC参加者の予測中央値では、政策金利は来年末に5.1%、24年に4.1%に低下との見通しが示され、いずれも9月時点での予測から引き上げられた。
株取引の抜本的改革案
米証券取引委員会(SEC)は株式の取引方法に関し、過去10年余りで最も広範な改革に向けた最初の一歩を踏み出す。SECは4つの改革案を提示。投資家が得る価格が有利になるほか、従来式の証券取引所での取引増加にもつながると説明している。SECは43兆ドル(約5800兆円)規模の株式市場がどう機能しているかについて、オーダールーティングから価格設定、ブローカーに義務付けられている顧客への情報開示に至るさまざまな点を深く掘り下げて議論する。
資金流出「落ち着いた」
世界最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者バイナンス・ホールディングスの創業者である趙長鵬氏は、同社からの資金流出は「落ち着いた」と説明した。従業員に対しては、競合のFTX破綻からの業界全体の回復は「多難な」ものになるだろうと注意を促した。一方で、自社の財務状況は強固であり、「いかなる仮想通貨の冬も生き残れる」と言明。ブロックチェーン分析会社ナンセンによると、シンガポール時間14日午後0時25分までの過去24時間で、バイナンスには2億5600万ドル(約346億円)が純流入した。過去7日間では12億ドルの純流出だったという。
自己勘定での債券購入要請
中国は複数の大手銀行に、国内の債券市場安定化に向けた支援を要請した。リテール投資家の償還請求が2015年以来の大量の債券売りを促したためだと、事情に詳しい関係者が明らかにした。当局は銀行に自己勘定取引デスクを通じて債券を購入するよう求めたという。要請の背景には、償還請求と債券値下がりの連鎖が金融システムを不安定化させる懸念がある。
数ミリ秒の優位性と指摘
米当局に起訴されたサム・バンクマンフリード被告のトレーディング会社、アラメダ・リサーチは、グループ内企業の暗号資産交換業者FTXで注文を執行する際のスピードで隠された優位性を持っていたと、米証券先物取引委員会(CFTC)は主張している。「こうした有利さは開示されておらず、スピード面での大幅な優位性」をもたらしたとCFTCは説明。「アラメダの注文は他のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)ユーザーよりも数ミリ秒早く受け付けられた」とし、高頻度取引分野では、これはかなりの時間的優位性だと指摘した。
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