[モスクワ 13日 ロイター] – ロシアの12月の財政収支は3兆5000億ルーブルもの赤字になる可能性がある。財務省の計画では今年の財政支出を国内総生産(GDP)比2%としており、計画に基づくと今月に前月比2倍以上の約5兆―5兆5000億ルーブルを支出することになるためだ。
同省の12日の発表によると、1─11月の財政収支は5570億ルーブル(88億1000万ドル)の黒字で、1─10月の黒字から4倍以上に拡大。ただ、1─11月の政府収入の約39%は政府系エネルギー企業ガスプロムからの政府向け配当・税収払い計1兆ルーブルによるもので、市場アナリストによるとこれがなければ同期も6000億ルーブルの財政赤字だった可能性がある。
ロシア中央銀行はこれまで、財政赤字が増大すると金融引き締めが必要になる可能性があると警告を繰り返しており、引き締めは来年のロシア経済を圧迫する恐れがある。ただ、今週16日の中銀政策決定会合では政策金利は7.5%で据え置かれると予想されている。財政赤字の対GDP比率の政府予測は今年も来年も約2%。
一方でロシアは今年、ウクライナ侵攻の戦費調達で借り入れを強化し、今週も14日に投資家に人気の財務省証券発行が控えている。