[東京 14日 ロイター] – 政府が16日閣議決定する新たな防衛力整備計画の財源確保案が判明した。2027年度に約9兆円と想定する防衛予算のうち、過半に相当する4.6兆円を新設の防衛力強化資金から捻出する。新たな資金制度に必要な「財源確保法案」を整備し、次期通常国会に提出する方針だ。

ロイターが案文を入手した。資金枠の創設は23年度を想定し、税外収入などを防衛力の整備に計画的、安定的に充てられるようにする。

防衛力強化資金には外国為替資金特別会計から3.1兆円、財政投融資特別会計からは0.6兆円を繰り入れる。累次のコロナ対策で積み上がった不用分として計0.4兆円の国庫返納を想定。商業施設「大手町プレイス」の売却収入0.4兆円も同資金に充てる。

防衛力強化に伴う決算剰余金の27年度までの活用額は3.5兆円とする。直近10年間の決算剰余金の平均が年1.4兆円だったことを踏まえ、本来なら国債償還に充てる2分の1相当額となる年0.7兆円を防衛財源に回す。

一方、歳出改革では27年度までの5年間で3兆円強を捻出する。

27年度以降必要となる4兆円の防衛財源では、防衛力強化資金で0.9兆円、決算剰余金の活用で0.7兆円、歳出改革で1兆円を賄う。残る1兆円強は増税で補う。

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▽防衛財源確保で増税に反対論、15日も議論=自民税調小委員長<ロイター日本語版>2022年12月14日3:45 午後