[東京 27日 ロイター] – 日銀が27日に発表した11月の物価の基調を示す指標は、いずれもデータを遡ることができる2001年以降で最高の伸び率となった。品目ごとの上昇率分布で上下10%を機械的に除いた「刈込平均値」は前年同月比プラス2.9%となり、3%に迫った。値上げが幅広い品目に及び、物価の上昇基調が強まっている。

ウエートを加味した品目ごとの上昇率分布の真ん中に当たる「加重中央値」はプラス1.2%、品目別分布で最も頻度の多い上昇率である「最頻値」はプラス1.5%で、いずれも最高を更新した。上昇品目の比率は79.9%で8割に接近した。

一連の指標は日銀が総務省発表の消費者物価指数をもとに算出し、毎月発表している。日銀は物価の基調を正確に把握するため、生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)だけでなくさまざまなコア指標を総合的に見ている。11月のコアCPIは前年同月比プラス3.7%で1981年12月以来の伸び率となり、日銀が目標とする2%を8カ月連続で上回った。

(和田崇彦)