【ワシントン時事】米下院は7日未明、議長選出のための通算15回目の投票を行い、多数派を握る共和党のマッカーシー院内総務を選出した。同党内で右派グループの造反が続いた影響で、決着に5日を要する異例の議長選となった。
マッカーシー氏は7日の就任演説で、「今こそ私たちが監視役となり、大統領の政策にバランスを取る時だ」と強調。経済政策や移民問題でバイデン政権と厳しく対峙(たいじ)する姿勢を示した。一方、バイデン大統領は声明で祝意を表明した上で、「手を携えれば国のために大きな仕事を成し遂げることができる」と共和党に協力を呼び掛けた。
最終投票結果はマッカーシー氏が216票、民主党議長候補のジェフリーズ院内総務が212票、白票が6票だった。議長不在の間、下院は機能不全が続いてきたが、ようやく議事を進められるようになる。
定数435(欠員1)の下院では、議長選出に有効票の過半数が必要。多数派政党から1回の投票で選出されることが一般的で、15回も要したのは、44回の投票を実施した1859年の議長選以来164年ぶりだ。