[オタワ 12日 ロイター] – カナダを訪問中の岸田文雄首相は12日、トルドー首相と会談した。共同記者会見では日本が今春に財界代表団をカナダに派遣し、カナダが10月に貿易代表団を日本に送る計画が発表された。
トルドー氏は、日本の代表団がカナダのバッテリー企業や鉱山会社のほか提携先候補と面会する予定だと述べた。
カナダ政府は電気自動車(EV)サプライチェーン(供給網)に海外の投資を呼び込む取り組みを進めており、とりわけEV用電池に使われる鉱物資源の採掘・加工への外資誘致に力を入れている。
岸田首相は先に、日本は資源が豊富なカナダがエネルギー分野で重要な役割を果たすことに期待していると述べた。会見では、中国が「中心的な課題」であるとの認識をトルドー氏と共有したと明らかにした。両首脳は北朝鮮の非核化を求める姿勢も改めて示した。
カナダは昨年11月、インド太平洋地域で影響力を強める中国に対抗するための戦略を発表。岸田首相はカナダがアジアに外交の軸足を移し、インド太平洋地域との関係を深化させる方針を示したことを歓迎した。
カナダ首相府は両首脳が同地域における「中国の行動に関する懸念を話し合い、地域の安全保障には協調的アプローチが必要との認識で一致した」との声明を出した。