【台北時事】台湾の与党・民進党は15日、蔡英文総統の党主席(党首)辞任に伴う党首選を実施し、頼清徳副総統(63)を選出した。頼氏は2024年1月に予定される総統選で同党の最有力候補と目される。党首就任が正式に決まったことで、出馬の可能性がさらに高まった。
対中「現状維持」焦点に 台湾総統選まで1年―民進・頼氏に懸念材料も
頼氏は副総統に就任以前、「台湾独立派」を明言していた。「一つの中国」原則を掲げ、台湾統一に向けて武力行使も辞さない構えの中国・習近平政権が警戒を強めるのは必至だ。
党首選では頼氏以外に立候補者はおらず、事実上の信任投票だった。注目された得票率は99.65%、投票率は17.59%だった。任期は蔡氏の残り任期の24年5月まで。
頼氏は選出を受け「複雑に変化する国際情勢の中で断固として台湾を守り、民主主義と平和、繁栄を促進する」とコメントを発表した。
蔡総統は昨年11月に行われた統一地方選の与党大敗を受け、党首を引責辞任した。選挙後、政権と与党の支持率はいずれも大幅に低下。頼氏にとって、総統選に向けた党勢の立て直しが急務となる。