[17日 ロイター] – 西側諸国のロシア制裁は石油製品の輸出および生産に著しい影響を与えるものの、原油輸出は増えると見込んでいることを、事情に詳しいロシア高官がロイターに語った。
欧州連合(EU)は2022年12月5日からロシアの海上原油の輸入を禁止した。23年2月5日からはロシアの石油製品も禁輸する。
匿名のロシア高官は「石油製品の禁輸は原油への制限よりも大きな影響を与える」と語った。制裁によって石油製品の貯蔵能力が不足するロシアの原油供給が増えると説明した。
モスクワに拠点を置くブローカー、BCSのロン・スミス氏は「石油製品の輸出は同量の原油よりも物流がはるかに複雑であり、原油よりも石油精製品の禁輸の方がより影響が大きい可能性があると考えられる」との見方を示した。
ロシア高官は23年の精製所での減少予想(中央値)を15%とした。これは公式予想と見合っている。
公式予測では、ロシアの22年の石油製品生産は前年比約3%増の2億7200万トンとなり、23年は2億3000万トンに減ると見込まれている。
主要7カ国(G7)、オーストラリア、EUは昨年12月5日、ロシア産原油に1バレル=60ドルの上限価格を設定した。今年2月5日からロシア産石油製品にも同様の上限価格を課す予定。