[東京 25日 ロイター] – 第一生命ホールディングス傘下の第一生命は、近く本格化させる2023年春闘で、営業職以外の内勤職でも基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を実施する方針だ。正式に決まれば28年ぶりとなる。事情に詳しい関係者が明らかにした。
対象となる内勤職員は約1万人に上り、定期昇給と併せ、ベアを実施することで平均計5%の賃上げを目指す。社員への還元を増やし、物価高に伴う実質賃金低下の影響を緩和する狙いもある。労働組合との協議を踏まえて23年4月から実施する。
営業職員(約4万人)の待遇改善では、入社5年目までの新人層の給与引き上げを先行させ、初任給については平均1.6倍の賃上げを実施してきた。今後6年目以降の社員についても給与制度を改定する方向で協議を進め、営業職も含めた社員5万人に対するベア実施で、平均5%の賃上げに弾みをつけたい考え。
経済界で同水準の賃上げが広がれば「官製春闘」が始まった14年以降で過去最高となる。
(山口貴也)