[オスロ 31日 ロイター] – 世界有数の規模を持つノルウェーの政府系ファンド(SWF)は、2022年に過去最大の損失を計上した。前年まで3年間、高い投資収益を上げていたがロシアのウクライナ侵攻などによる市場環境の悪化が打撃となった。

22年の損失は1兆6400億クローナ(1644億ドル)。08年(6330億クローナ)の記録を塗り替えた。

ニコライ・タンゲン最高経営責任者(CEO)は「市場は欧州での戦争、高インフレ、金利上昇の影響を受けた。株式と債券両方の市場が同時に悪影響を受けたのは非常に珍しい」と述べた。

同ファンドのリターンは19年から21年まで毎年1兆クローナを超えていた。

22年の投資収益率はマイナス14.1%。ファンドのベンチマーク指数の収益率は0.88%ポイント上回った。

株式投資のリターンはマイナス15.3%、債券はマイナス12.1%。非上場不動産はプラス0.1%、再生可能エネルギー事業はプラス5.1%だった。

それでもファンドの価値は前年から890億クローナ(89億ドル)拡大した。クローナ安に加え、過去最高の1兆1000億クローナの資金の流入が背景。流入額は、それまでの過去最高だった08年の3860億クローナの約3倍となった。