[フランクフルト 2日 ロイター] – 欧州中央銀行(ECB)は2日の理事会で政策金利を0.5%ポイント引き上げ3%とした。利上げは5会合連続。3月にも0.5%ポイントの追加利上げの方針を示し、高インフレとの戦いを続ける道筋を再確認した。

中銀預金金利も2%から2.5%に引き上げた。

ECBは声明で「理事会は着実なペースでの大幅利上げ路線を維持する」と指摘。「3月の次回会合でさらに50ベーシスポイント(bp)利上げする意向」とした上で、「その時点でその後の金融政策の道筋を評価する」として今後に選択肢を残した。

INGのマクログローバル主任カーステン・ブルゼスキ氏は、ECBが「3月以降の利上げ停止、もしくはペース減速の可能性に道を開いた」と述べた。

市場では利上げサイクルが近く終了する可能性があるという見方が強まり、指標となる独10年債利回りは15bp低下し2.14%となった。

しかし、ラガルドECB総裁は理事会後の記者会見で、この日の決定は利上げサイクルが終わりに近いことを意味するという解釈を否定。「着手すべきことは残っており、まだ終わっていないのは明らか」とし、ECBがインフレを2%近辺の目標に回帰させるための「路線を維持する」という見解を改めて表明した。

ECBの発するメッセージと市場の見方の乖離は、1日の米連邦準備理事会(FRB)の政策決定後の市場の動きと類似する。

FRBは1月31─2月1日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%ポイント利上げを決定。インフレ対応で峠を越えたとの認識を示しつつも、継続的な利上げが適切と改めて表明した。パウエル議長は会見で繰り返し「ディスインフレ(インフレ鈍化)」のプロセスが進んでいるという認識を示した。

ラガルド総裁はユーロ圏に関しては、ディスインフレのプロセスがすでに始まっているとは断言できないと強調。「基調的なインフレ要因は依然として強く、強固で、揺らいでいない。われわれは取り組む必要がある」と語った。

こうした中、国際通貨基金(IMF)のトビアス・エイドリアン金融資本市場局長らはブログで、インフレを目標に向け持続的に低下させるために「金利を長期間にわたり高水準に維持する必要がある公算が大きい」と金融市場に明確に示すよう世界の中央銀行に促した。「時期尚早の緩和は経済活動回復後にインフレが急激に再燃し、各国をさらなる衝撃にさらし、インフレ期待を低下させるリスクがある」と警鐘を鳴らした。

ECBはまた、5兆ユーロの債券ポートフォリオの縮小を3月から開始した後も、現行の慣行に沿って満期を迎えた債券の償還金の一部を再投資し続けると発表。継続する再投資額は従来の資産購入プログラム(APP)からの償還額と公的部門証券買い入れ(PSPP)の償還額とに比例して配分される。

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▽ECB当局者、少なくともあと2回の利上げ見込む=関係筋<ロイター日本語版>2023年2月3日2:05 午前