[ロンドン 7日 ロイター] – 国際決済銀行(BIS)は、世界の主要中央銀行が過去15年間に買い入れた債券の損失が膨らんでおり、政治から攻撃を受ける恐れがあると警告した。
米連邦準備理事会(FRB)や欧州の中銀は量的緩和で供給した資金に利子を払っており、このところの急激な利上げで利払い額が増えている。
FRBの量的緩和による累積損失は約260億ドルに達した。スイス中銀は昨年1320億スイスフラン(1430億ドル)の損失を出した。欧州中央銀行(ECB)は商業銀行が保有する4兆ユーロの資金に2.5%の利息を支払っている。
BISの報告書は、中銀の救済が必要になった場合、国民や政治家の不満が高まり、中銀の独立性が焦点になる恐れがあると指摘した。
最悪のケースとして、マクロ経済運営に失敗した場合、損失によって中銀の地位が低下し独立性が危うくなり、為替の崩壊につながる可能性があると指摘した。
政治的な批判を避けるために、損失につながった措置は物価と経済の安定を確保するために行われたもので、長期的な利益をもたらすと説明すべきとした。
「国民の信頼を維持し中銀の正当性を保つために、中銀の責務が利益よりも優先されることが理解されるべきだ」と述べた。