[香港 8日 ロイター] – 中国科学院・微生物学研究所のジョージ・ガオ教授はロイターへの電子メールで、中国で新型コロナウイルスの新たな変異株や特殊な変異株が出回っている可能性が懸念されていることについて、「世界は完全に安心すべきだ」と訴えた。

ガオ氏は中国疾病予防コントロールセンター(CDC)の元所長。8日に英医学誌ランセットで公表した同僚と共著の論文では、中国で直近に起こった感染爆発の初週に新変異株が検出されなかったとの調査結果を示した。

調査は昨年11月14日から12月20日にかけて北京で新型コロナ患者413人を対象に実施したもので、全員が既存の変異株に感染していた可能性が高いと分析。北京の人口構成や感染スピードの速さから、調査結果は中国全体の状況を反映しているとの考えを示した。

ガオ氏は電子メールで、中国で感染を引き起こしているのは世界中で検出されているのと同じオミクロン株派生型「BA・5・2」および「BF・7」だと説明した。

ガオ氏はまた、中国はウイルスについて広範なゲノム解析を継続しており、新変異株が出れば世界は把握できると主張した。現在中国では感染が減っているが、「将来的に新たな波が起こる可能性はある」とも述べた。