英国防省は12日に発表したロシアのウクライナ侵略に関する報告で、露軍兵士の死傷者数が過去2週間に拡大したとの見方を示し、「東部の前線で、訓練された兵員や(作戦の)調整、装備の不足も要因の可能性がある」との見方を示した。12日、ウクライナ東部ドネツク州バフムトの前線で配置につくウクライナ軍の戦車=AP
ウクライナ軍の発表を基に分析した。英国防省は、ウクライナ軍の集計方法は検証できないと指摘した上で、この1週間での露軍の死傷者は1日当たり平均800人以上で、最も少なかった6~7月の170人余りと比較し、4倍超だったと説明した。
ウクライナ軍参謀本部は12日、露軍がこの日も東部ドネツク州バフムトなどに特に攻撃を集中させていると発表した。
英国防省は10日の報告で、露軍がバフムトの北側の近郊で制圧地域を広げているとする一方、ドネツク州の州都ドネツクの南西ウフレダルを巡る戦闘で多数が死傷した可能性があると指摘した。「経験の浅い部隊が投入され、少なくとも30台の装甲車両を一度に放棄した」との見方を示した。
露軍は12日、南部でも攻撃を続けた。各地方当局によると、南部ザポリージャ原子力発電所とドニプロ川を挟んだ対岸近くにあるニコポリでは、露軍の砲撃で女性1人が死亡した。南部ヘルソンでは、州庁舎が露軍の攻撃を受けた。