[マニラ 14日 ロイター] – フィリピンのマルコス大統領は14日、中国大使を呼び出し、南シナ海における中国の行動に「深刻な懸念」を表明した。フィリピン外務省は、船舶による「攻撃的な活動」をやめるよう中国に求める外交文書を提出した。
フィリピン沿岸警備隊は13日、南シナ海で中国海警局の船が妨害行為をしたと非難していた。6日に南沙(英語名スプラトリー)諸島のアユンギン礁にある海軍拠点への補給活動を行う船に対し、「軍事級のレーザー」を照射して妨害したという。
大統領府の声明によると、マルコス大統領は船舶に対する「軍事級のレーザー」使用を含め「フィリピンの沿岸警備隊や漁船に対する中国の行動の頻度と強度が増している」状況を巡り懸念を伝えた。
フィリピン外務省のダザ報道官は、マルコス大統領と中国の習近平国家主席が1月上旬の会談で南シナ海を巡る問題の外交的な解決で合意したばかりであることに言及。「中国によるこのような攻撃的な行動は憂慮される問題で失望している」と述べた。
同省はまた、中国海警局の行動はフィリピンの主権と安全保障に対する脅威で、フィリピンには排他的経済水域内で合法的な活動を行う権利があると表明した。
中国の黄渓連大使は、マルコス大統領の訪中時に海洋問題での意見の相違を管理することに関して両国が達した合意を実施する方法について、大統領と意見を交わしたと述べた。
越川和彦・駐フィリピン日本大使もツイッターへの投稿で、フィリピンの船舶に対する危険な行為に深刻な懸念を示した。全ての国が国際法に基づく海洋秩序を尊重すべきとし、緊張を高めるいかなる行動にも断固反対すると述べた。