• 米金融当局者タカ派発言、米ISM製造業指数、中国経済回復
  • 2023年の円高予想に誤算、米企業利益の質は1990年来の最悪
In this photo illustration the logo of YouTube can be seen on a smartphone. Photographer: Thomas Trutschel/Photothek

人工知能(AI)がハイテク業界の主戦場となる中、グーグル傘下ユーチューブもプラットフォームにジェネレーティブ(生成)AIを組み込む方針を明らかにしました。最高経営責任者(CEO)に先月就任したニール・モーハン氏によると、クリエーターは今後数カ月以内にAIを使った動画加工が可能になるとのこと。「ChatGPT」のオープンAIやマイクロソフトとの競争が過熱する中、偽情報の判別がおぼつかない低年齢層視聴者も多いユーチューブに生成系AIの利用が拡大していくことに、親としては一抹の不安を覚えます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

一段の利上げ

米地区連銀総裁2人が一段の追加利上げについて言及。予想されるピーク金利の水準がさらに上昇した。アトランタ連銀のボスティック総裁は政策金利を5%から5.25%の間に引き上げ、2024年もしばらくその水準で維持する必要があるとの認識を示した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げ幅を再び0.5ポイントにするかどうかについて、「現時点ではオープンマインドでいる」と語った。米政策金利は9月に5.5%でピークに達するとの見方が金利スワップ市場では織り込まれている。

なお縮小圏

米供給管理協会(ISM)が発表した2月の製造業総合景況指数は47.7となり、6カ月ぶりに上昇。ただ、不安定な需要と高まるインフレ圧力を背景に、製造業活動は依然として縮小圏にとどまった。製造業の14分野で活動が縮小し、拡大は4分野だった。新規受注の指数は前月比の伸びが2020年以来の大きさとなったが、なお50を下回った。仕入価格の指数は51.3と、2カ月連続で上昇。昨年9月以降初めて50を上回り、コスト上昇を示した。

上層部の想定外

中国経済の回復ぶりは政府上層部が見込んでいたよりも速いと、事情に詳しい関係者が明らかにした。今年の景気対策が控えめなものにとどまる可能性が示唆される。別の関係者によると、指導部は景気回復に満足しており景気対策の必要性は今のところそれほどないと、5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で伝えるよう国営メディアに指示が出ている。政府は景気について追加支援よりも、「維持」を考えているという。

円高予想に誤算

23年は一転円高との予想に誤算が生じている。米経済が想定外に堅調で米金融引き締めの転換を見越したドル安シナリオは崩れつつあり、1ドル=142円以上の円安も視野に入ってきたとの声が出ている。T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフストラテジストは米経済指標が悪くないとして、年前半は円安方向に幅を取る必要があると指摘。「米政策金利に対する見方によって142円になるか、146円になるか変わってくる」と話した。

1990年来の最悪

株式相場の未来がどれだけ明るいかを語る上で、強気派は楽観を正当化すべく底堅い業績を指摘する。しかし、このシナリオには亀裂が生じつつある。利益構造自体についての懸念が生じているからだ。UBSグループがまとめたデータによると、金融とエネルギー企業を除くS&P500種株価指数構成企業の利益は減価償却の調整を加えたベースで、昨年9月までの1年間に営業キャッシュフローを14%上回った。言い換えれば、1ドルの利益に対するキャッシュフローはわずか88セントにとどまり、その差異は少なくとも1990年以来の大きさとなっている。

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