[8日 ロイター] – ロシア政府は8日、昨年9月に起きたロシアと欧州を結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム」の爆破に関する西側メディアの報道は、注意をそらすための組織的な試みだとし、爆破に関する公開調査を求めた。また、米国当局が調査なしにこの攻撃について何かを仮定できることにロシアは困惑していると表明した。
米紙ニューヨーク・タイムズは7日、米情報当局が検証した新たな情報で、ウクライナ人またはロシア人で構成される親ウクライナ派グループがこの爆破を実行したと報じた。
ドイツの公共放送ARDとツァイト紙は、実行犯は5人の男と1人の女で、偽のパスポートを使い、ヨットを借りていたと伝えた。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は国営ロシア通信(RIA)に対し、「明らかに、攻撃について書いた人物は注意をそらしたがっている」と述べ、情報が仕込まれたものだと主張した。
「米国当局者は、調査もせずにどうして何かを決めつけることができるのだろうか。ノルドストリームの出資国と国連が要求しなければならないのは、少なくとも緊急かつ透明性のある公開調査だ」と語った。
ロシアは、爆発に関する欧州の調査から排除されていることに繰り返し不満を述べている。
爆発はバルト海のスウェーデンとデンマークの排他的経済水域で発生した。両国とも、爆発は意図的なものだと結論付けているが、責任の所在は明らかにしていない。
ロシアは証拠を提示せず、英国と米国がパイプラインを爆破したと非難しているが、両国ともに否定している。