[東京 14日 ロイター] – 東京市場でリスク回避の動きが強まっている。14日の市場では、株安・債券高が一段と進んだほか、金先物価格も過去最高値を付けた。相次ぐ米銀の破綻でリスク回避の動きが強まっており、マネーが「安全資産」に逃避する展開だ。株式市場では銀行株が引き続き売られ、自動車株も円高を嫌気し軟調となっている。
日経平均株価はは一時前日比700円超下落し、2万7100円台まで水準を下げた。国債先物中心限月6月限は一時、同2円を超える上昇となった。
米金利が急低下したことでドル/円は前日の海外市場で一時132.29円まで下げ幅を拡大し、2月14日以来1カ月ぶり安値を更新。足元は133円台後半で推移している。
前日の米株の主要3指数がまちまちだった一方、日本株が大幅安となっている点について、みずほ証券のエクイティ調査部シニアテクニカルアナリスト、三浦豊氏は、日本株はこれまでの上昇の反動が出ていると指摘する。「海外の短期マネーが円安や低PBR(株価純資産倍率)をはやし日本株を買っていたが、リスク回避と円高進行で売り戻している」という。
商品市場でも「安全資産」需要が高まっている。大阪取引所で取引されている金先物中心限月2024年2月限JAUv1が一時8185円(1グラム当たり)を付け取引時間中の過去最高値を更新した。
TORANOTEC投信投資顧問の運用部シニアファンドマネージャー、山岡浩孝氏は「リーマン・ショックの二の舞になるのではないかとの恐怖心が市場に広がっており、円や金など安全資産が買われやすくなっている。金利低下も利息を生まない金には優位に働く」と述べている。