[チューリヒ 21日 ロイター] – スイス国立銀行(中央銀行)は21日に公表した年次報告書で、2022年に為替介入を通じて223億スイスフラン(239億7000万ドル)相当の外貨を売却したことを明らかにした。21年は211億フラン相当を買い入れており、購入から売却に転換した。
中銀はインフレ率目標の0─2%を達成するために外貨介入の用意があると表明していた。22年のインフレ率は2.8%と、目標範囲を超えていた。
中銀は為替介入を実施する用意があることを繰り返し表明しているが、昨年まではスイスフランの上昇を抑えるため外貨を購入することを主に意味していた。
しかし、中銀は22年に方針転換し、安全資産である通貨の上昇を容認した。
中銀は「これにより輸入財(モノ)とサービスの価格上昇の影響を弱め、インフレ圧力が低下した」と指摘した。
中銀は昨年6月以降、スイスフランが弱くなった場合に外貨を売却する意向を示した。輸入品によるインフレからスイスを守ることの強化を狙った動きだ。
22年に223億スイスフラン相当の外貨を売却したのとは対照的に、21年には外貨を211億スイスフラン相当、20年には1100億スイスフラン相当それぞれ購入していた。
中銀は23日に金融政策を決める予定だ。