- FOMCは25bp利上げ、全面的な預金保険は検討せずと米財務長官
- パックウェスト預金20%流出、アポロなどが関心、銀行AT1債上昇
米国ではZ世代(1990年代中盤以降に生まれた世代)の間で債務負担が増えています。クレジット・カルマによると、Z世代の平均債務残高は昨年10-12月に1万6283ドル(約215万円)と、同年3-5月に比べて3.1%増加。ミレニアルやベビーブーマーなど他の世代を上回る増加率です。賃金上昇ペースがインフレに追い付かず、クレジットカードに頼る人が増えていますが、特に就職してからそれほどたっておらず、給与が比較的少ないZ世代が苦労しているようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
0.25ポイント利上げ
米連邦公開市場委員会(FOMC)は主要政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定。銀行危機が悪化するリスクはあるものの、利上げを継続する姿勢を示した。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは4.75-5%となり、これは2007年9月以来の高水準。決定は全会一致だった。同時に発表されたFOMC参加者の経済・金利予測によれば、政策金利は23年末時点で約5.1%と、昨年12月時点での予測中央値と変わらなかった。24年の予測中央値は4.3%(前回4.1%)に上昇した。
全面的な預金保険は検討せず
イエレン米財務長官は、米国の銀行システムを安定化させるために「全面的な」預金保険を提供することを規制当局が検討していることはないと述べた。最近経営破綻した米銀のトップは責任を負うべきだとの見解も示した。上院小委員会の公聴会でイエレン長官は「預金の全面的な保険や保証に関することを、私は検討したり議論したりしていない」と述べた。
20%流出
米銀パックウェスト・バンコープは、投資会社アトラスSPパートナーズから14億ドル(約1860億円)の現金を確保したと明らかにした。同行では年初から預金の20%が流出。資金調達の別の取り組みは諦めたとした。パックウェストは発表文で、預金流出額は計69億ドルで、そのうちの約49億ドルはベンチャー・バンキング部門からだと説明。預金水準は「安定」していると付け加えた。
アポロとカーライル
米オルタナティブ投資会社のアポロ・グローバル・マネジメントとカーライル・グループは、SVBファイナンシャル・グループの破綻で売却されるローン債権の取得を狙っている。事情に詳しい複数の関係者によると、このローンはSVBファイナンシャルの投資部門SVBキャピタル、および投資銀行業務を担っていたSVBセキュリティーズに関連している。売却されるローンは最大100億ドルの価値が付く可能性があると、関係者の一部は指摘。オルタナティブ投資会社は10億ドル相当に区分けされたローン債権に最も関心を示しそうだと、別の関係者は指摘した。
銀行AT1債が上昇
22日の金融市場で、銀行が発行する「その他Tier1債」(AT1債)が上昇。監督当局の保証やゴールドマン・サックス・グループがAT1債に買いの好機を指摘したことが材料視された。ゴールドマンのクレジットアナリスト、ケネス・ホー、チャッキ・ティン両氏は、アジア太平洋地域で特に有力な大手銀が発行する一部のAT1債には魅力的な投資機会があるとの見方を示し、利回りは既に株主資本コストを超えていると指摘した。
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