[パリ 14日 ロイター] – フランス憲法院は14日、年金受給開始年齢を64歳に2年遅らせる年金改革法案について合憲との判断を下した。マクロン大統領が進める年金改革に対し大規模な抗議デモが繰り広げられていたが、合憲判断を受け、政府は予定通り9月1日に施行すると表明した。
憲法院は年金改革法案は憲法に沿ったものと判断し、受給開始年齢の引き上げを承認。改革反対派が提案していた年金改革を巡る国民投票の実施も却下した。反対派は国民投票実施に向け別の提案を提出しており、憲法院はこれについて5月上旬に審議を行う。
年金改革反対派はこの日の憲法院の判断発表を前にパリ市庁舎前に集まり、「改革が撤回されるまでストライキは終わらない」などと書かれた横断幕を掲げて抗議。強硬左派のジャン・リュック・メレンチョン氏は「戦いは続く」と述べた。
極右指導者のマリーヌ・ルペン氏は「年金改革の政治的運命は決まっていない」とツイッターに投稿。有権者に対し、次の選挙で年金改革に反対する候補を支持し、改革案を廃案にするよう呼びかけた。
政治評論家は、政府の改革に対する抗議の広がりで極右勢力が後押しされるなど、長期的な影響が出る可能性があると指摘している。