ウクライナのゼレンスキー大統領=ボーランド・ワルシャワ(AFP時事)
ウクライナのゼレンスキー大統領=ボーランド・ワルシャワ(AFP時事)

 【ワシントン時事】ウクライナ政府が年内に、日本やカナダなど11カ国による環太平洋連携協定(TPP)への加入を申請する意向であることが21日分かった。ウクライナのタラス・カチカ経済副大臣兼通商代表が同国メディアに語った。英国に続いてウクライナも加われば、TPPは太平洋の枠組みを超える巨大経済圏となる。

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 インタファクス・ウクライナ通信によると、カチカ氏は今月中旬に米商工会議所が主催した経済関連のイベントに合わせてワシントンを訪問した際、ウクライナ政府がTPP加入申請の方針を近く決定する予定だと明らかにした。早ければ今夏に、TPP参加国から加入交渉開始に向けた通知を受け取る可能性があるという。

 カチカ氏は、ウクライナのシュミハリ首相とカナダのトルドー首相が今月中旬に、改定された自由貿易協定(FTA)に関する共同宣言に署名したことに言及。TPP参加国であるカナダとの経済関係強化により、ウクライナがTPPに加入する弾みになると期待を示した。

 ウクライナのTPP加入には、ロシアによる軍事侵攻で打撃を受けた自国経済の復興・復旧を加速させる狙いがあるとみられる。カチカ氏は英国の申請から加入決定まで約2年を要したことに触れ、ウクライナはより早くTPPに加入できるとの見方を示した。

 TPPには現在、中国、台湾、エクアドル、コスタリカなどが加入を申請している。