• FDICが大手行に数十億ドル追加負担要求へ、英中銀が利上げ
  • 米PPI伸び鈍化、銀行問題でダイモンCEO、カシュカリ総裁
The Federal Deposit Insurance Corp. (FDIC) headquarters in Washington, DC, US Photographer: Al Drago/Bloomberg

一部に脅威をもたらしている人工知能(AI)ですが、これは人命救助につながるかもしれません。AIを使って開発したコンピューターのアルゴリズムで、患者の心臓発作が本物か単に偽のシグナルかを正確に識別できたとの研究結果が発表されました。科学誌「ネイチャーメディシン」に11日掲載された報告によると、6カ国の患者1万人以上を対象とした試験で、実際には心臓発作でなかった人を99.6%の確率で見分けることができたとしています。調査を主導した英エディンバラ大学教授は「多忙を極める救急病棟での作業効率や患者へのケア改善に著しく寄与する可能性がある」としています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

数十億ドル追加負担

米連邦預金保険公社(FDIC)は、シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー・バンクの破綻で拠出を強いられた預金保険基金(DIF)の補充に関する新たな方針を発表した。FDICは3月、両行の預金を全額保護するという異例の決断を下した。これによるDIFからの拠出は約158億ドル(約2兆1200億円)に上ったと、FDICは推計している。方針には、資産額が500億ドル超の金融機関は追加保険料、いわゆる特別賦課金全体の95%を支払うことが盛り込まれており、大手行に数十億ドルの追加負担を求める内容となっている。

追加利上げ示唆

イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利を0.25ポイント引き上げ、4.50%とした。これで12会合連続の利上げだが、インフレ圧力が持続すれば追加利上げが必要との考えも示した。金融政策委員会(MPC)メンバー2人は据え置きを主張したが、大多数は景気の底堅さを示す「度重なるサプライズ」が物価圧力を高め、中銀の行動を必要にしたと論じた。ベイリー総裁は記者会見で「インフレ率が目標の2%に戻ることを確実にするために政策姿勢を堅持することが必要だ」と語った。

伸び引き続き鈍化

4月の米生産者物価指数(PPI)は、前年同月比ベースでの伸びが引き続き鈍化した。総合PPIは前年同月比2.3%上昇と、2021年初旬以来の低い伸び。市場予想は2.5%上昇、3月は2.7%上昇だった。食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比3.2%上昇。予想は3.3%上昇だった。先週の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件増の26万4000件と、2021年10月以来の高水準となった。

「さらに状況悪く」

米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、銀行セクターに今年起きた波乱に終止符を打つべく規制当局は力を貸す時機だとしつつ、政策当局はすでに間違った教訓を得ようとしていると警告した。ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「銀行にとってはさらに状況が悪くなるだろう。規制とルール、義務が増える方向だ」と発言。「ルールや義務、規制が行き過ぎると、こうしたコミュニティーバンクからは貸し出し担当者よりもコンプライアンス担当者の数が多いとの不満が聞かれるようになる」と話した。

インフレは目標を「なお大きく上回っている」

米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、物価上昇圧力は依然として強過ぎるとの見解を示した。ミシガン州で行われたイベントで、「インフレは低下してきているが、当局の2%目標をなお大きく上回っている」と指摘。「全米レベルでは賃金の伸びが幾分軟化してきたが、強弱入り交じっているといった感が強い」と述べた。同総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で議決権を有する。

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