韓国のスーパーに並ぶ日本産ビール=10日、ソウル
韓国のスーパーに並ぶ日本産ビール=10日、ソウル

 【ソウル時事】韓国で日本産ビールの輸入が回復しつつある。2019年7月の日本による半導体素材の対韓輸出規制強化をきっかけとした日本製品の不買運動で一時激減したものの、現在は運動前の6割程度まで戻った。新商品が品薄状態になるなど、関心も高まっている。

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 韓国関税庁の貿易統計によると、今年3月の輸入額は293万8000ドル(約4億円)と、不買運動前の19年3月(501万7000ドル)の約6割まで回復。運動直後の同年9月にはわずか6000ドルに落ち込んでいた。地元メディアは「『ノージャパン』前に戻りつつある」(韓国日報)などと報じている。

 輸入増加が顕著になったのは22年に入ってから。日本との関係を重視する尹錫悦大統領が就任し、関係改善の流れができたことも影響したとみられる。

 新商品の人気も上々だ。アサヒグループホールディングスは傘下企業を通じ、「アサヒスーパードライ生ジョッキ缶」を数量限定で販売。SNSなどで話題になり、5月1日の販売開始直後から品薄状態となった。SNSでは「一体どこで売っているの?」との投稿が相次いだ。

 アサヒグループによれば、夏からは韓国専用パッケージでの販売を予定。広報担当者は「関心が強いことを実感している。7月の正式発売に向け、しっかりと供給体制を整えたい」とコメントした。