[17日 ロイター] – 17日の米国株式市場で地銀株が上昇した。ウエスタン・アライアンス・バンコープの預金残高が増加したことを受け、銀行危機が最悪期を脱したとの見方が広がった。
ウエスタン・アライアンスは16日、5月12日までの3カ月間に預金残高が20億ドル以上増加したと発表した。バンク・オブ・アメリカ(BofA)・グローバルリサーチは投資判断を「買い」とし、目標株価を42ドルに設定。BofAは、同行のビジネスモデルは「想定より耐性があった」と述べた。
ウエスタン・アライアンスの預金の79%以上が保険対象となっている。その割合は3月31日時点の68%から上昇した。
B.ライリー・ウェルスのチーフ市場ストラテジスト、アーサー・ホーガン氏は、同行の預金増加は懸念を抱く投資家にとって朗報だと指摘。大きな打撃を受けた銀行が預金残高の安定を示し始めるに伴い、セクター全体に信頼感が戻ると述べた。
ウエスタン・アライアンスの株価は10.2%高と急伸し、ここ2週間の下げ幅を回復。年初来ではなお41%安となっている。
このほかパックウエスト・バンコープも21.7%、ザイオンズ・バンコープは12.1%、コメリカは12.3%、キーコープは8.6%、それぞれ上昇。KBW地銀株指数は7.3%上昇し、今月1日以来の高値となった。
ホーガン氏は「地銀の収益環境は悪化した状況が続くため、(株価が)早期に危機前の水準に回復するわけではないが、緊急の事態は薄れ、ファンダメンタルズ(基礎的条件)がより重視されているようだ」と述べた。