- 米債務上限交渉は22日トップ会談、中国がマイクロン製品購入を禁止
- 6月米金利据え置きを示唆、米中関係改善へと大統領、サミット閉幕
「Xデー」と呼ぼうが「Dデー」と呼ぼうが、このままでは米国は史上初のデフォルト(債務不履行)に陥ります。「甚大な影響が米国経済や世界経済に及ぶということは間違いない」と19日に述べたのは日本銀行の植田和男総裁です。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は17日、「ウォールーム(戦時の作戦司令室)」を設置して準備していると発言。世界が固唾(かたず)をのんで見守る中、バイデン米大統領はエアフォースワン機内でマッカーシー下院議長との交渉に臨みました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
「建設的」
マッカーシー米下院議長はバイデン大統領と週明け22日の午後に再度会談し、債務上限を巡る交渉を続ける意向だと明らかにした。交渉担当者は21日に協議を再開するという。議長は日本から大統領専用機で帰国の途中にあるバイデン大統領と電話で協議した後、合意にはまだ達していないと強調しつつ、話し合いは「建設的だった」と記者団に話した。これより先、イエレン財務長官はNBCの番組で、米国がすべての支払い義務を履行できる状態を6月中旬まで維持する可能性は低いと発言。債務上限引き上げで政府と共和党の交渉が妥結することが急務だとあらためて訴えた。
深刻なリスク
中国サイバースペース管理局(CAC)は国内で販売されている米マイクロン・テクノロジーの製品に「比較的深刻な」サイバーセキュリティー上のリスクがみつかったとして、主要な情報インフラ機関に対して同社製品を購入しないよう警告した。国家安全保障に影響を及ぼすという。マイクロンはこれを受けて、中国側に全面的に協力していると表明。自社製品の安全性と顧客へのコミットメントを堅持すると述べた。
休止
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、6月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きを支持する可能性があると述べた。ダウ・ジョーンズが19日のインタビューとして報じた。ただインフレとの闘いにおける利上げ局面の終了を宣言することには反対だとという。19日にはパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が会合で、「ここまで政策を進めてきたので、データや変わりつつある見通しを注視して慎重に分析する余裕がわれわれにはある」と述べ、6月の利上げ休止に傾いているとの明確なシグナルを送った。
雪解けへ
バイデン米大統領は中国との関係が「極めて近いうちに」改善するとの見通しを示した。主要7カ国(G7)首脳会議(広島サミット)の終了に合わせた記者会見で、偵察用とみられる中国の気球をめぐり米中の関係が悪化したと指摘。「そうした状況が改善し始めたということが極めて近いうちに分かるだろう」と述べた。政府は李尚福国防相に対して科している制裁を解除するかどうか検討するとも付け加えた。
閉幕
主要7カ国(G7)首脳会議(広島サミット)は、ウクライナを巡る問題についてゼレンスキー大統領も出席したセッションなどを行い、閉幕した。岸田文雄首相は議長国会見で「G7とウクライナの揺るぎない連帯」を世界に示せたと語った。ゼレンスキー氏はG7との討議後、「平和で安定し、繁栄した世界に向けて」と題したセッションでインドやブラジルなど招待国の首脳らも加わった拡大会合にも出席した。岸田首相は会見で、「世界のどこであっても力による一方的な現状変更の試みは許してはならない」などの基本的な考え方を共有できたと語った。
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