[ロンドン 23日 ロイター] – 世界銀行は23日、2022年の世界のカーボン・プライシング収入が過去最高の950億ドルになったと発表した。ただ、パリ協定の目標を達成するには二酸化炭素(CO2)価格が依然として低すぎると指摘している。

カーボン・プライシングはCO2に価格をつけ、排出量に応じて企業に課金する制度。炭素税や排出量取引制度(ETS)の形で複数の国で導入されている。

世界で導入されているカーボン・プライシングは現在73件。22年5月公表の報告書では68件だった。

21年のカーボン・プライシング収入は約840億ドル。

炭素価格ハイレベル委員会は17年、気温上昇を2度未満に抑制するパリ協定の目標を達成するには、炭素価格を30年までに1トン当たり50─100ドルにする必要があると分析していたが、世銀はインフレ分を調整すると現在では61─122ドルが必要になると指摘。

「30年までに推奨される価格帯かそれ以上の価格帯で直接的なカーボン・プライシングが適用されているのは、23年4月1日時点で世界の温室効果ガス排出量全体の5%未満」にとどまっているという。