[8日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)が8日発表した統計によると、第1・四半期の家計資産は前期から3兆ドル余り増加して148兆8000億ドルと、1年ぶりの高水準となった。株式市場が昨年の弱気相場から復調したことや、利回りが高い米国債への強い買い意欲が背景にある。
株式の保有残高は約2兆4000億ドル増え、不動産の資産価値が6000億ドル減少した影響を打ち消した。
さらに目立ったのは債券価値が過去最大の増加を記録したことで、米国債は約5500億ドル増えた。
ただ、直近の増加をもってしても家計資産は2022年第1・四半期に付けた過去最大の152兆6000億ドルを約4兆ドル下回った。
第1・四半期に銀行預金とマネー・マーケット・ファンド(MMF)の保有残高は約1150億ドル減の17兆7600億ドルと、21年第3・四半期以来の低水準を付けた。
このうち普通預金と定期預金の合計は4200億ドル減少し、20年序盤以来初めて10兆ドルを割り込んだ。22年第1・四半期に付けたピークからは1兆2000億ドル余り減少している。
これは1年にわたるFRBの利上げを受けて銀行預金から金利が相対的に高いMMFに資金をシフトさせる動きを一部反映しており、3月のシリコンバレー銀行の経営破綻で銀行預金流出が一時加速したことも響いた。