【ニューヨーク時事】米自動車大手フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)が相次いで米電気自動車(EV)大手テスラの充電網を活用する方針を発表した。テスラの充電規格が米国内で標準になる可能性が高まっており、米メディアは「テスラが王手をかけた」と報じた。日本独自の「チャデモ」など他の規格は淘汰(とうた)される恐れが出てきた。
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米国内ではテスラが開発した「NACS」の急速充電器が約2万基、GMやフォード、独フォルクスワーゲン(VW)などが採用している「CCS」が約1万基、チャデモが約7000基整備されている。米EV市場ではテスラが6割程度のシェアを持ち、これにフォードとGMが加わると7割超となるため、3社が「NACS」を使うことになれば存在感は増す。
フォードのファーリー最高経営責任者(CEO)は先月、米テレビに出演した際、テスラの急速充電器が業界標準になる可能性があると指摘。GMのバーラCEOは今月8日、テスラの充電器は「デザインもパフォーマンスも優れている」とたたえた。
一方、チャデモは米国で販売中のEVでは日産自動車の「リーフ」に使われているものの、主流ではない。米自動車業界に詳しいリサーチャーは「各メーカーはユーザーの利便性を考慮する必要がある。フォードとGMの方針を受け、テスラ規格に向かう流れが強まる可能性がある」と分析する。
トヨタ自動車やホンダなどは今後、北米でのEV生産を開始する。日本の業界関係者は「まだテスラ規格が標準になると決まったわけではない。どの充電方式を選ぶかは動向を見極める必要がある」と慎重な見方を示した。