- 米住宅着工件数が急増、MiFID2無料リサーチ禁止の撤廃目指す
- バイデン氏次男、KKRがペイパルBNPL債権取得へ、米株見通し
シンガポールで企業倒産が増加しています。政府統計によれば、今年これまでに申請された件数は昨年の同時期より約14%多く、2005年以来の高水準。金利上昇と世界経済懸念を背景に、破産申請は一段と増えると見込まれています。日本でもコロナ禍で導入された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が7月ごろから本格化する見通しで、既に増えている倒産が急増する恐れ。これまでの各種政策の影響が世界各地で顕在化しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
全ての予想上回る
5月の米住宅着工件数は前月比21.7%増の年率換算163万戸と、2016年以来の大幅増。エコノミスト予想の全てを上回った。建設許可件数も増えて、住宅建設が経済成長押し上げに寄与する軌道にあることが示唆された。一戸建て住宅の着工件数は18.5%増加し、11カ月ぶり高水準。アパートなど集合住宅の着工は27%余り増えた。
MiFID2
バイサイドの投資会社が銀行や証券会社へ支払う取引手数料と投資リサーチ料金の切り離しを義務付けた欧州連合(EU)の規則は、加盟国が打ち出した改定案の下で巻き戻される可能性がある。取引手数料とリサーチ費用を分離するいわゆる「アンバンドリング(分離明確化)」はEUの第2次金融商品市場指令(MiFID2)に盛り込まれ、2018年に施行された。加盟国の改定案によれば、投資会社は顧客にリサーチ料と取引手数料の両方を一緒に支払っているかどうかを通知し、それぞれの費用を記録するだけで済むようになる。改定案が実施されれば、現行からの大幅な変更となる。
司法取引
バイデン米大統領の次男ハンター・バイデン氏は、連邦税を巡る罪2件について有罪を認める司法取引に応じた。違法薬物依存の状態で銃を所持した罪については、条件付きで訴追を免れる取引で合意した。これにより5年間に及ぶ捜査が終了することになるが、共和党からはハンター氏への対応が寛大過ぎるとの声が上がりそうだ。一方、トランプ前米大統領が機密文書を不適切に取り扱ったとして起訴された裁判では、8月14日に審理が開始される。ただ、同氏の弁護チームは起訴状および政府の証拠に対して異議を申し立てると予想されており、そうなれば審理開始の日程は遅れる可能性が高い。
KKRがペイパルから債権取得
米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社KKRは、ペイパル・ホールディングスの後払い決済サービス「BNPL(バイ・ナウ・ペイ・レイター)」の融資債権を最大400億ユーロ(約6兆2000億円)取得することで合意した。ペイパルは今回の取引で18億ドル(約2550億円)を調達し、年内に追加で10億ドル相当の自社株買いが可能になるとみている。ペイパルは今回のKKRとの合意により、バランスシートへの負担を低減しつつ、消費者の利用を促す人気サービスであるBNPL融資を引き続き提供できることになる。
「不快な覚醒」
米国株に対し強気に転じた投資家に「不快な覚醒」が待ち受けている可能性があるとウォール街きっての弱気派、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏が指摘した。財政支援の減少や流動性の低下、インフレ鈍化が年後半に米国株上昇の重しになるとしている。同氏は3月の米預金救済がもたらした過剰流動性によって数少ない銘柄の株価が押し上げられた後、株式のバリュエーションが行き過ぎていると分析。20日のリポートで「成長に関するわれわれの基本的な見方に照らし、強気のポジショニングを取り巻く現在の興奮に乗るのは難しい」とコメントした。
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