[ジュネーブ 19日 ロイター] – アフガニスタンの人権状況に関する国連特別報告者リチャード・ベネット氏は19日、ジュネーブで行われた国連人権理事会で、同国で実権を掌握しているタリバンによる女性と少女の処遇は、ジェンダーのアパルトヘイトに相当する恐れがあると報告した。
ベネット氏は「タリバンの思想と規則の根幹には、女性に対する重大で組織的かつ制度的差別が存在する。これは、タリバンがジェンダー・アパルトヘイトに責任がある可能性を示している」と述べた。
国連は、ジェンダーまたは性別を理由に個人に対して行われる経済的・社会的性差別」をジェンダー・アパルトヘイトと定義している。
また、ベネット氏は記者団に「われわれはジェンダー・アパルトヘイトをさらに追及する必要性を強調した。現時点では国際犯罪となっていないが、そうなる可能性がある」と指摘。「現在、アパルトヘイトは人種を対象としているが、これをアフガンの状況に当てはめて人種の代わりに性別を適用すれば、その方向に向けた強い示唆となるとみられる」と述べた。
アフガニスタンを統治するイスラム主義組織タリバンのザビフラ・ムジャヒド報道官は声明で、タリバン政権はイスラム法を実施していると述べ、国連や西側の機関による「プロパガンダ」と非難した。
「アフガンの状況に関するベネット氏の報告書はそうしたプロパガンダの一部で、現実を反映していない」と主張した。
2021年8月に実権を掌握したタリバンは、高校や大学通学の阻止など、女性の権利と自由を極度に制限している。