[ワシントン 22日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は22日、上院銀行委員会の公聴会で行った証言で、経済が予想通りに推移すれば年内にあと1回、もしくは2回の利上げが適切になるとFRB当局者は考えていると述べ、雇用への影響が懸念される中でも一段の利上げの必要性を擁護した。

この日の公聴会では、上院銀行委のシェロッド・ブラウン委員長(オハイオ州、民主党)らが、インフレ抑制に向けたFRBの取り組みで人種的少数派が不釣り合いに大きな雇用喪失に直面しないかなどと質問した。

これに対しパウエル議長は「物価上昇の影響を最も直接的、かつ迅速に受けるのは働く人々の家計だ」との認識を示し、FRB当局者は現時点で「経済が予想通りに推移すれば、年内にあと1回、もしくは2回の利上げが適切になる」と考えていると述べた。

議長は、FRB当局者が金利をあとどの程度引き上げる必要があるのか議論を進める中、向こう数カ月のFRBのアプローチについて説明。0.75%ポイントのペースでの利上げを実施する時期があったことに言及し、「われわれは迅速に動かなければならないときは、極めて迅速に動いた」と指摘。ただ、現在は「われわれが目的地と見なす地点に少なくとも近づいている」とし、6月の会合で金利を据え置いたことに言及し「慎重なペースで動くのが理にかなう」と述べた。

その上で「われわれは必要以上のことはしたくない。連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げはまだ継続するとの見方が大勢だが、入手される情報を確認できるペースで行っていきたいと考えている」と語った。

同時に、FRBが利下げに転じる試金石になるのはインフレが低下しているという確信だとし、インフレ率がFRBが目標とする2%に向かっているとFRB当局者が確信するまで利下げは待たなければならないと表明。FRB政策担当者の最新の予想中央値では金利が来年に低下し始める可能性が示されているものの 「インフレ率が2%に低下すると確信できるまで待つ必要がある」とし、「利下げは当面は行われない」と述べた。

パウエル議長は前日、下院金融サービス委員会の公聴会で証言を行った。

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▽〔情報BOX〕パウエル米FRB議長の議会証言要旨<ロイター日本語版>2023年6月23日12:32 午前