[21日 ロイター] – 米疾病対策センター(CDC)に助言を行うワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)は21日、米製薬大手ファイザーと英同業グラクソ・スミスクライン(GSK)がそれぞれ開発した呼吸器合胞体ウイルス(RSV)ワクチンについて、米国でRSV感染症の重症化を防ぐために高年齢層への接種を条件付きで推奨した。ただ、全ての高齢者が接種すべきとは踏み込まなかった。

ACIPは、60歳以上については医療提供者と相談の上、RSVワクチンの接種を受けてもよいと説明。これはRSVワクチンに対して行う最も強い推奨ではなく、一部の委員はより広い推奨を望む一方、75歳以上の高齢者とその他のリスクの高いグループに対するワクチンの有効性を示すデータが十分でないことに懸念を表明する委員もいた。

委員の1人であるヘレン・タルボット博士は、病気と入院や死亡のリスクが高い人々が臨床試験に含まれておらず、試験に参加した患者集団はより若く、健康で、併発疾患がほとんどなく、免疫不全症でなく、介護施設に入所していない人々だったと指摘した。

ワクチンの利用にはCDC長官の承認を必要とする。ファイザーとGSKは、今年後半のRSV流行前にワクチンを供給できるとの見通しを示している。

RSVは通常、軽い風邪のような症状を引き起こすが、重症化や入院に至る場合がある。政府データによると、米国では65歳以上の成人の死亡者は年間1万4000人と推定されている。