• 反乱のプリゴジン氏が沈黙破る、ロシア情勢が習氏に与える影響
  • テスラ株の投資判断引き下げ、米株に不安の壁、日本株「明るい」

1-3月の自動車輸出台数で中国は日本を抜いて世界首位に立ったことが、調査で明らかになりました。ロシア向けの急増が背景にあり、欧米市場では中国勢の存在感はなお限定的。ただ、調査元アリックスパートナーズの幹部スティーブン・ダイアー氏は「今こそ、中国ブランドが欧米市場に破壊的影響を及ぼし始める時だ」と語っています。かつて日本メーカーが起こした自動車産業の主役交代に向け、中国製の電気自動車(EV)が加速しているようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

沈黙破る

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏は武装蜂起の収拾で合意して以降初めて沈黙を破り、「既存の体制や合法的に選ばれた政府を打倒するという目標はなかった」と述べた。ただ、プーチン大統領への忠誠を公言するには至らなかった。一方、この音声メッセージ投稿の数時間前には、ウクライナ駐留のロシア軍部隊を訪問したショイグ国防相の様子を国営テレビが報じた。プリゴジン氏はウクライナ侵攻での不手際などを巡り、数カ月にわたりショイグ国防相を厳しく批判していた。

ますます裏目

プーチン大統領との「制限のない」友好をうたった中国の習近平国家主席は賭けが裏目に出ているように映る。ロシアでの武装蜂起は短期間で収拾した様子だが、習氏が直面するリスクをいま一度浮かび上がらせた。習氏は軍に対する支配を強化しようとしているが、完全に掌握しているのかは不透明。カリフォルニア大学世界紛争・協力研究所のタイ・ミン・チェン所長は「共産党と特に習氏個人に対する忠誠を中国軍にあらためて求める動きが出てくるのは確実だろう」と述べた。

ゴールドマンも

テスラ株に対する強気な見方をゴールドマン・サックス・グループも後退させた。テスラ株の投資判断引き下げはここ1週間で少なくとも4例目。ゴールドマンのマーク・ディレーニー氏は株価の大幅な上昇と新車の値下がりを要因として、テスラの株式投資判断を「買い」から「ニュートラル(中立)」に引き下げた。テスラの株価は2022年に年間ベースで最大の下げを記録した後、今年は年初から2倍余り値上がり。26日の終値は前営業日比6.1%安の241.05ドル。

不安の壁

ウォール街きっての弱気派ストラテジスト、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、米国株は不安の壁に直面しており、これが近い将来に激しい売りをもたらす可能性があるとの見方を示した。同氏はS&P500種株価指数が目先下落するとみており、年末の水準を23日終値を約10%下回る3900と予想。「逆風は追い風よりも相当強い。大幅な調整のリスクがこれほど高かったことはめったにない」と26日のリポートで説明した。 

日本株

ブラックロック・インベストメント・インスティチュートのストラテジストは、日本株の見通しは他の先進国と比べて明るくなっているとの見方を示した。日本銀行の金融緩和継続や株主にとって利益となる企業改革などを理由に挙げた。ジャン・ボアバン、ウェイ・リ両氏率いる同社ストラテジストは、日本企業は「株主フレンドリーなアプローチ」を強めていると指摘。「日銀が超緩和政策をゆっくりと解除する可能性が高いこと、そして企業改革が日本株を他の先進国と比べて際立たせている」とした。

その他の注目ニュース

イエレン米財務長官、7月の訪中を計画-米国は対中投資規制を用意

クレセゾン社長、次期中計で事業利益1000億円超へ-異業種連携を強化

ドイツ連銀がAPP購入債券で含み損拡大、政府の資本注入必要な恐れ