[東京 28日 ロイター] – 防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」の要件緩和に向けた自民、公明両党の与党協議が28日開かれ、意見集約に向けた論点整理を行った。30日にも取りまとめたい意向で、自公は論点整理を踏まえた上で今後も議論を継続し、岸田文雄首相への提言をまとめる段取り。ただ、具体的なスケジュールは未定という。
自民党の熊田裕通氏と公明党の浜地雅一氏によると、主な論点は、1)三原則の前文や後文の書きぶり、2)現行制度が輸出を認める5分野からの対象範囲拡大の是非、3)国際共同開発する装備品の第三国輸出解禁の是非、4)防衛装備移転における部品技術、4)弾薬などその他。
国際共同開発する装備品については、日本が英国、イタリアと共同開発する次期戦闘機が念頭にある。
現行ルールで武器輸出を認めるのは国際共同開発・生産品を除き、「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型に限っており、殺傷武器の輸出も論点となっている。
三原則見直しは、政府が昨年12月に改定した外交・安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など防衛3文書に明記されていた。
(竹本能文)