[イスタンブール 10日 ロイター] – トルコのエルドアン大統領は10日、同国の議会がスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟を承認する前に、欧州連合(EU)はトルコのEU加盟に道を開くべきだと述べた。

リトアニアで開催されるNATO首脳会議への出発を控えた大統領は、スウェーデンの加盟は昨夏の首脳会議で合意した内容の履行にかかっているとし、トルコの譲歩を期待すべきでないと述べた。

ウクライナとロシアの戦争が終結すれば、ウクライナのNATO加盟プロセスも容易になるだろうと指摘した。

エルドアン大統領は、17日に失効するウクライナ産穀物を黒海経由で輸出する合意について、延長についてロシアのプーチン大統領と協議する方針を示した。またプーチン大統領は8月にもトルコを訪問するとの見通しを示した。

欧州委員会の報道官は、NATOおよびEUの拡大は「別々のプロセスだ」と指摘。「各候補国の加盟プロセスは、それぞれの国のメリットに基づいている」とし、この2つのプロセスを結びつけることはできないと述べた。

NATOのストルテンベルグ事務総長はエルドアン大統領の発言について問われ、トルコのEU加盟を支持する一方、スウェーデンはすでにNATO加盟に必要な条件を満たしていると言及。記者会見で、NATO首脳会議で「スウェーデンについて前向きな決定を下すことはまだ可能だ」とした。

米ホワイトハウスは、トルコのEU加盟を常に支持しており、今後も支持し続けるとした上で「われわれの焦点はスウェーデンだ。スウェーデンはNATOに加盟する用意ができている」とした。

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