[ロンドン 13日 ロイター] – 英予算責任局(OBR)は13日、財政の長期見通しに関する年次報告書を公表し、公的債務は2070年代までに対国内総生産(GDP)比で300%を突破し、現在の約100%から急増する可能性があると分析した。財政リスクとして高齢化、気候変動、地政学的緊張を挙げた。

公的債務の対GDP比率を安定させ、低下させるための政府の取り組みは、過去の事例を見ても国際的にも不十分との見方を示した。

ハント財務相は5年以内に基礎的債務を減少させる目標を掲げているが、借り入れコストが急上昇する中、達成は厳しさを増している。

OBRは報告書で、英政府の借り入れコストは他の主要7カ国(G7)より上昇しており、過去40年間で最も変動が激しいと指摘した。

「他国の政府も債務の金利上昇に直面しているが、英国の公的債務ポジションは他の先進国よりもショックに脆弱だ」とした。債務の平均残存期間が短いことや、インフレ連動債の割合の高さ、他の大半のG7諸国より多くの債務を民間外国投資家が保有していることを指摘した。