[ニアメー 26日 ロイター] – 西アフリカのニジェールで26日、兵士らがバズム大統領を追放したと国営テレビを通じて明らかにした。
これより先、大統領警護隊は大統領公邸を封鎖し、バズム氏を公邸内に拘束。近隣諸国などから非難の声が上がっていた。
9人の将校に囲まれたアマドウ・アブドラマン大佐が声明を読み上げ、「治安悪化と悪政のため(現在の)政権に終止符を打つ」ことを国防軍と治安部隊が決定したと述べた。
国境は閉鎖され、全土に外出禁止令が出されたほか、全ての国家機関が停止されたとした。
兵士らは外国による介入をけん制。バズム氏の安全は尊重すると述べた。
米国はバズム氏の解放を求め、欧州連合(EU)、国連、フランスなどはこの動きを非難するとともに懸念を持って状況を注視しているとした。
ニジェールでは1960年のフランスからの独立以来、4度の軍事クーデターが発生し、バズム氏の大統領当選で初の民主的な政権移行が行われた。
軍による今回の権力掌握は、西・中央アフリカ地域で2020年以降7回目のクーデターとなる。西側諸国はここ10年でマリから広がったジハーディスト(イスラム聖戦主義者)の反乱と戦うサヘル地域(サハラ砂漠南部)の国々を支援している。ニジェールはその中で重要な役割を果たしてきたが、隣国マリとブルキナファソの新たな軍事政権との対立が深まっていた。
独シンクタンクのサヘル地域担当責任者は「同地域でバズム氏は西側にとって唯一の希望だった。米仏、EUはニジェールとその治安部隊を支えるためこの地域に多くのリソースを費やしてきた」と指摘。クーデターによってロシアなどが同国で影響力を拡大する機会が生まれる可能性があると述べた。
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