[ワシントン 2日 ロイター] – 2020年米大統領選の敗北を覆えそうと支持者をあおって議会襲撃事件を引き起こしたとしてトランプ前大統領が起訴された問題で、2日に提出された起訴状には、前大統領がペンス前副大統領に対してバイデン氏勝利を認定しないよう執拗に働きかけていた事実が詳しく記されている。
20年12月のクリスマスには、ペンス氏がトランプ氏に電話をかけてお祝いの言葉を述べたが、トランプ氏はすぐに話題を大統領選に移行し、21年1月6日に選挙結果の公式認定を拒んでほしいと要請。ペンス氏は「私に選挙結果を変更する権限があるとは思いません」と答えた。
その後、年明けの1月1日、今度はトランプ氏からペンス氏に電話し、副大統領が選挙の公式認定を拒否するか、各州に集計結果を差し戻す権限を付与することを求める訴訟を起こすことに反対していると知ると、同氏を叱責した。
この時ペンス氏が、そのような権限に憲法上の根拠はなく不適切だとの見解を伝えると、トランプ氏は「融通の利かないやつだ」と非難したとされる。
結局21年1月6日に前大統領支持者らが議会に乱入し、選挙結果の認定は遅れたものの、ペンス氏と議会指導部は最終的にバイデン氏の勝利を宣言している。
来年の大統領選に出馬しているペンス氏はこの日の声明で、トランプ氏の起訴は「大事なことを思い出させてくれる。つまり前大統領を合衆国憲法の上位に置こうとしたいかなる人物も米国の大統領になるべきでないということだ」と述べた。