[ベレン(ブラジル) 8日 ロイター] – アマゾン協力条約機構(ACTO)に加盟する8カ国は8日、ブラジルで首脳会議を開き、協力体制の強化に合意した一方、2030年までにアマゾン川流域の森林破壊を終わらせるための共通目標では合意に至らなかった。会議を主催したブラジルのルラ大統領が共通目標の設定を唱えていた。
共同声明では、森林破壊に対抗するための連盟創設を宣言。各国がそれぞれ独自の森林破壊対策目標を追求することになった。
ルラ氏を含む多くの首脳が共同声明についてコメントすることなく議場を離れた。
ACTOの首脳会議が開かれたのは14年ぶり。会議に先立ち、森林破壊と石油開発を巡って各国の立場の違いが顕在化し、緊張が生じていた。
コロンビアのペトロ大統領は、化石燃料から段階的に「エネルギー移行」をするだけでは気候変動対策が遅れると主張し、アマゾン川流域での新規石油開発をやめるよう訴えたが、他の国々に拒否された。
ブラジルはアマゾン川の河口付近で発見された海底油田について開発の是非を検討中。同国のシルベイラ・鉱業エネルギー相はペトロ氏の演説後、この海底油田は石油・ガス開発の最後の未開拓分野になりそうだとし、どのような石油が埋蔵されているかを調査した上で最終決定する方針を示した。
首脳会議は先住民の権利保護、水質管理、健康問題などでの協力でも合意した。
ACTO加盟国はブラジル、コロンビアの他、ボリビア、ペルー、エクアドル、ガイアナ、スリナム、ベネズエラの8カ国。