[カフルイ(米ハワイ州) 10日 ロイター] – 米ハワイ州マウイ島で発生した大規模森林火災の死者が少なくとも55人になり、さらに増えると予想されている。主要な観光地であるラハイナに深刻な被害が出ており、地元当局者は復興には長い年月と多額の費用がかかるとの見通しを示した。米ハワイ州マウイ島のラハイナで発生した大規模森林火災の死者が少なくとも36人に達した。出火原因はまだ特定されていないが、米国立気象局は乾燥した植物と強風および低湿度により火勢が増したと指摘している。
ハワイ州のグリーン知事は、損傷したり焼失したりした建物は1000棟に上ると推定し、何千人もの人々の当座の住居が必要になると指摘。「ラハイナの再建には何年もかかるだろう」と述べた。
バイデン大統領は10日、同州に災害宣言を出し、連邦政府による支援を指示した。
マウイ島当局によると、島内で起きている火災のうちラハイナでの火災は80%消火され、ラハイナの東約30キロメートルの場所の火災も70%鎮火した。
捜索・救助活動は続いており、火傷や煙を吸い込むなどした負傷者も多数出ている。
ラハイナの文化財への被害はなお不明だ。ロイター記者によると、19世紀にハワイ王カメハメハ3世の宮殿があった場所を示す高さ18メートル超のガジュマルの木は一部が焼け焦げたもようだ。
今回の火災はハワイ州を襲った災害としては、61人が死亡した1960年の津波以来最悪の被害をもたらしている。
出火原因はまだ特定されていないが、米国立気象局は乾燥した植物と強風および低湿度により火勢が増したと指摘している。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス&ポリティカル・サイエンスのトーマス・スミス教授(環境地理学)によると、ハワイでは毎年山火事が発生しているが、今年は降雨量が少ない上に気温が高く、暴風域が近くにあるため、例年より早く大規模なものになったという。
ハワイ島でも少なくとも2カ所で大規模森林火災が発生している。