[15日 ロイター] – 格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストは15日、米銀行業界の経営環境に関する格付けが現在の「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げられれば、JPモルガン・チェースを含む70超の米銀行の格付けの見直しを余儀なくされると警告した。CNBCに対し語った。
フィッチは6月、米銀行業界の経営環境に関する格付けを「AA」から「AAマイナス」に引き下げ、米信用格付けに対する圧力や将来の利上げの道筋に関する不確実性を指摘した。
格付け会社ムーディーズも今月、米国の銀行10行の信用格付けを1段階引き下げたほか、一部の主要行を引き下げ方向で見直しの対象とした。
フィッチの警告を受け、15日の米国株式市場では銀行株が下落。米連邦預金保険公社(FDIC)のグルエンバーグ総裁が14日、近く提案する新たな規制案により、大手地銀の「生前遺言(破綻処理計画)」が抜本的に手直しされることになるとの見通しを示したことも重しとなった。
バンク・オブ・アメリカとウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)がそれぞれ2%超下落。JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、シティグループ、モルガン・スタンレーは1.6─1.8%の下落。
中堅銀行ではウェスタン・アライアンス・バンコープが8.4%、パックウェスト・バンコープが1.6%それぞれ下落した。
コメリカとキーコープもそれぞれ約4.5%下落した。
S&P500銀行株指数は2.1%下落し、1カ月ぶりの安値を更新した。