[ストックホルム 17日 ロイター] – スウェーデンの治安機関SAPOは17日、国家に対するテロリスト脅威の評価を5段階で2番目に高いレベルに引き上げると同時に、イスラム教の聖典「コーラン」が燃やされるなどの騒ぎが相次ぎ、イスラム教徒の反発を招いていることで、攻撃の脅威は長期的に続く恐れがあると警告した。
SAPOは「高レベルの脅威」を反映し警戒レベルをこれまでの「3」から「4」に引き上げると表明。SAPOを率いるシャーロット・フォン・エッセン氏は記者会見で「スウェーデンはテロ攻撃の『優先的な』標的と見なされるようになった」と述べた。
その上で「警戒レベルの引き上げは単一の事件が背景にあるわけではないが、イスラム教シーア派組織ヒズボラ、イスラム過激派組織アルシャバブ、国際武装組織アルカイダが支持者らにスウェーデンに対する行動を起こすよう呼びかけていることは承知している」と指摘。ただ、警戒レベルの引き上げは具体的な計画を察知したためではないと説明した。
リステション首相は記者会見で、テロリスト攻撃の計画が検知され、国内外で逮捕者が出ていると明らかにした上で、「多くのスウェーデン国民が不安を感じていると理解している」と述べた。ただ具体的にどのような計画があったのかは明らかにしなかった。
スウェーデン軍も脅威評価を引き上げると発表している。
最近、デンマークとともにスウェーデンでは、コーランが燃やされるなどの抗議デモがあり、イスラム諸国から非難されている。こうした中、両国は国境管理を強化。米英などは攻撃の可能性を警戒し、国民に対しスウェーデンへの渡航を控えるよう勧告している。